キャリアアップ助成金は、いわゆる非正規雇用者について、雇用の安定化や、均衡待遇を促進するための助成金で、正社員化コース、人材育成コース、処遇改善コースと別れています。助成金の利用には、カリキュラムや制度を作ったり、いろいろな書類を作成したりと、煩雑な作業を伴いますが、今回は比較的利用しやすい、正社員化コースを少し詳しくご紹介したいと思います。
正社員コースは、就業規則等に規定した制度に基づき、有期契約者等を正社員等に転換または直接雇用したとき場合に助成されます。支給額は、下記のとおりです。
〈支給額〉
①有期→正規へ転換 1人当たり60万円
②有期→無期へ転換 1人当たり30万円
③無期→正規へ転換 1人当たり30万円
④有期→多様な正社員 1人当たり40万円
⑤無期→多様な正社員 1人当たり10万円
⑥多様な正社員→正規 1人当たり20万円
派遣社員を自社の正社員にした場合には、更に30万円加算があります。また母子家庭の母等の場合には10万円の加算があります。
手続きの大まかな流れとしては、まず、キャリアアップ計画書の作成・提出、就業規則への転換制度の規定・労基署への届出、転換制度に定めた試験等を実施、正社員へ転換・新たな雇用契約の締結（雇用契約書・労働条件通知書等書面にしておく）、転換後６か月雇用継続した後、２か月以内に支給申請となります。また、対象となる有期契約者等は、転換前に６か月以上雇用していることが必要になります。
転換後６か月の継続雇用が必要で、自己都合で６か月経過前に退社してしまった場合は、対象となりません。
正社員化を考えている良い人材がいましたら、このキャリアアップ助成金を検討してみてはいかがでしょうか。