今年の助成金は、非正規雇用への対応、多様な働き方の後押しで、キャリアアップ助成金 が拡充されていて注目です。キャリアアップ助成金は、非正規雇用者(契約社員など)のキャリアアップ等を促進するための取組を実施した事業主へ助成するものです。
そのなかの、正社員化コースでは、 有期契約労働者等を正規雇用労働者にした場合、1人当たり60万円の助成、さらに、 派遣社員の場合は30万円、母子家庭の母等の場合は10万円が加算されます。
確かに、正社員化は、解雇が難しく固定費増につながりますので慎重にならざるをえません。ただ、今後は、人口減少社会で、すでに、人手不足感からパート・アルバイトの賃金は大幅に上昇し、政府の均衡処遇の推進などで割安感も薄れつつあります。また、労働契約法が改正され、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できる制度ができています。
有期契約者の処遇や戦力化について、ますます考えていく必要が高まるなかで、正社員として教育・戦力化したいと思える人材に、このような助成金の活用もお勧めです。すでに人手不足感が顕在化している業界では、このような正社員転換への制度を持つことで、良い人材の応募へつながることも期待できます。