給与から、控除できるものは?

【1】全額払いの原則
労働基準法上、給与には、
「全額払いの原則」というものがあり、
原則として全額を支払う決まり
になっています。

ただし、例外的に、
法令に別段の定めがある場合や、
労使協定が締結されている場合には、
その分を控除して
支払うことができます。

【1】法令により控除できるもの
法令により控除できるものとして、
雇用保険料、健康保険料、
介護保険料、厚生年金保険料、
所得税、住民税、
があります。

・雇用保険料は、
平成29年度の本人負担分は3/1000です。
給与額(通勤手当含む)の3/1000を
控除します。

平成29年4月1日現在で、
64歳以上の方は、
保険料が免除されていますので、
控除はしません。

・健康保険料、介護保険料、
厚生年金保険料は、
標準報酬月額×保険料率から
計算した額を控除します。

翌月控除が原則ですので、
例えば、9月の保険料は
10月に支給する給与から
控除することになります。

H29年度9月現在の
協会けんぽの神奈川県の
本人負担分の保険料率は、
健康保険料率4.965%、
介護保険料率0.825%、
厚生年金保険料率9.15%です。

・介護保険は、
40歳以上65歳未満が対象ですので、
それ以外の従業員からは控除しません。

また、健康保険は75歳、
厚生年金保険は70歳で
通常は資格喪失しますので、
控除対象外です。

・所得税は、
その年度の源泉徴収税額表を
用いて算出します。

税額表にあてはめる給与等の額は、
給与額(非課税の通勤手当除く)から
雇用保険料、健康保険料、
介護保険料、厚生年金保険料
を控除した額になります。

税額表に、
この額と扶養人数をあてはめて、
該当する税額を控除します。

・住民税は、
毎年6月からの特別徴収税額通知書が
送付されてきますので、
その金額を控除することになります。

途中入社の従業員に関しては、
特別徴収切替依頼書を提出するか、
普通徴収(従業員が自分で支払う)
のままにしておいて、
1月に給与支払報告書を提出し、
次年度6月から特別徴収を始める
ということもできます。

【3】労使協定による控除
例えば社員旅行積立や社食代等を
労使協定を締結することにより、
控除することができます。

この労使協定は労働基準監督署への
届出は必要ありません。