時間外労働の時間、割増賃金の端数処理

給与計算が始まると、
時間外労働の時間および割増賃金の端数処理について、
聞かれることがあります。

実際、給与計算をすると、端数が出てきて、
事務処理上煩雑になってしまうので、
なんとかならないかとの相談です。

結論としては、1ヵ月における時間外労働の時間および
割増賃金の総額についての端数処理は可能です。

労働時間と割増賃金に分けて端数処理について説明します。

◆労働時間の端数処理について
労働時間については、基本的にそれが1分であれ、
労働時間としてカウントすることが大原則です。

ただし、通達により、
「1ヶ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の
各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に
30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り
上げること」は、労基法違反としては取り扱わないこと
にしています(昭和63.3.14基発150)。

あくまで1ヵ月の合計であり、
1日単位での時間外労働等の端数時間切捨ては許されていません。

◆割増賃金の端数処理
既述の通達で、
①1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、
50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること

②1ヵ月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の
総額に1円未満の端数が生じた場合に①と同じ処理をすること

は、労基法違反としては取り扱わないこととしています。

また、1ヵ月の賃金支払い額における端数処理について
③1ヵ月の賃金支払い額に100円未満の端数が生じた場合、
50円未満の端数を切捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うこと

④1ヵ月の賃金支払い額に生じた1,000円未満の端数を翌月の賃金支払い日
に繰り越して支払うこと

も、労基法違反として取り扱わないとされています。

これらは、切り上げもあるので、一方的に労働者が不利になる
ことはないので、事業者の事務処理の便宜を優先しています。

このような方法をとる場合には、就業規則や賃金規程等にその旨
明記しておく必要がありますので、注意が必要です。

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